手術で多汗症を治療する~気になる費用・副作用~

投稿:カテゴリ:多汗症
手術で多汗症を治療する~気になる費用・副作用~

あくまでも手術は最後の手段。絶対に失敗がないようにしたいものです。
どれだけ効果があるのか、避けて通れない副作用の可能性、安いといえない費用について知りましょう。

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手のひら、足の裏、ワキ、額に有効な手術

ボトックス注射(ボツリヌス療法)

ボトックス注射(ボツリヌス療法)はメスを使わずに処置できる治療法です。手軽で手を出しやすいですが、効果は短くて3か月、長くても1年ほどしか持続しません。

ボトックス注射の手術方法

汗腺を衰えさせるボツリヌストキシンを多汗が気になる箇所に直接注射します。
施術時間は病院にもよりますが15分程度と短く、術後から日常生活へ戻ることができます。

ボトックス注射のメリット

  • メスを使わないので傷跡が残らない
  • 短い時間で処置が完了する
  • 副作用の心配がほぼない

ボトックス注射の費用

腋窩多汗症(ワキの下の多汗)のみ、保険が適応されます。三割負担で3万円、自費で10万円程度です。

その他の箇所は保険適応外のためクリニックによりまちまちです。例として、両手のひらで5万~15万と、かなりの差ががあります。

手掌多汗症(手のひら)の手術

ETS~腔鏡下胸部交感神経遮断術~

ETS(腔鏡下胸部交感神経遮断術)は、手のひらの多汗症に効果がある手術法です。
働きすぎて大量に発汗する交感神経を切り取ったり焼いたりして停止させます。
汗をかく神経がなくなるので、多汗どころか汗自体がぴたっと収まります。

ETSの手術方法

ETSでは脇の下に数ミリの穴をあけ、内視鏡(カメラのついた細い管)を入れます。
カメラの映像で状況を確認しつつ、交感神経の束を見つけて切断します。
手術自体は簡単で、順調にいけば30分程度で終わります。病院によっては日帰りで終わるところもあるようです。

ETSのメリット

  • 傷口が小さく痛みが少ない
  • 手術時間が短く、日帰りで終わる病院もある

ETSの副作用

代償性発汗
手のひらからの汗がでなくなる代わりに、顔や頭など他の場所から出る汗が多くなることがあります。
この代償性発汗は96%の人に生じるとされていますが、個人差があるので気になるかならないかは手術してみないとわかりません。
熱がこもる、顔のほてりなど
体温を下げる汗が少なくなるため、体内に熱がこもって手術前より熱く感じることがあります。

ETS手術を後悔している人たちの話

インターネットでETS手術の体験談を探してみると、すぐに後遺症で悩んでいる人の声が見つかります。以下、その例であるサイトへのリンクです。

手術するな、とはいいませんが、もしするなら後悔しないようにしてください。私にはそれしか言えません。

ETSの費用

健康保険が適用され、自己負担は3割程度となります。
適用後の費用は代替10万円前後ですが、高額医療費変換手続きをとることにより、数か月後に一定額が戻ってきます。詳しくは加入している保険の担当窓口でご相談ください。

足蹠多汗症(足の裏)の手術

腰部交感神経節ブロック

腰部交感神経節ブロックは、足の裏の多汗症に効果がある手術法です。
足裏の汗腺を支配する交感神経にブロック針を刺し、アルコールなどの薬液を注入することで、『汗を出せ』という命令を遮断します。
足裏には絶大な効果があるのですが、後述するような副作用があるため、管理人としてはあまり薦めたくありません。なので、どうしてもという方のみ調べてみてください。

腰部交感神経節ブロックの副作用

代償性発汗
射精障害
男性のみの話ですが、手術することで射精障害がおこる可能性があります。

腋窩多汗症(ワキ)の手術

剪除法

剪除法は本来はワキガの治療に用いられる手術ですが、多汗症にも効果があるとされています。
交感神経を切除するETSとは違い、脇の下にある汗腺自体を削りとって切除します。神経自体には触れないので、ETSのように代償性発汗が生じることはほぼありません。

剪除法の手術方法

ワキの下を3~4センチ切開し、ワキガの原因となるアポクリン腺を完全に取り去ります。アポクリン腺は汗腺の一つなので脇汗の量も減らすことができます。
ただし、もう一つの汗腺であるエクリン腺を取りきるわけではないので、エクリン腺が原因の多汗の場合、完全に汗が泊まることはありません。一般的に、汗の量は半分程度になるといわれています。

手術自体は2時間程度で終わりますが、術後処置を含めると治療期間は1週間以上かかります。

剪除法のメリット

  • 再発の可能性がほぼない
  • 汗腺を直視しながら切除するので、より確実に処置できる
  • 本来はワキガ用の手術法のため、ワキガも解消する

剪除法のデメリット

  • 手術開始から日常生活に戻るまで時間がかかる
  • 色素沈着など見た目が汚くなる可能性がある
  • ワキ毛の量が減る(一般的に70%程度ダウン)
  • 傷跡が目立ってしまうことがある

剪除法の費用

保険適用で5万円以下、保険適応外で30万程度です。美容外科などで保険を取り扱っていない場合や、特殊な器具を使う場合は保険適応外の料金になります。


多汗症の手術をしたからといって、完璧に悩みが解消するかはわかりませんし、副作用の心配もついてまわります。本当にダメだ! と思ったその時でも、検討に検討を重ねてから手術に臨むようにしたいものです。