【実験】ワキ汗パット(汗取りパッド)の吸水量を比較する

投稿:カテゴリ:実験室
【実験】ワキ汗パット(汗取りパッド)の吸水量を比較する

市販されている脇汗パッド(汗取りパッド)はどれだけ汗を吸ってくれるのか。そして、吸水量に差はあるのか? 家にあるもので実験装置を作って確かめました。

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実験方法

ワキ汗パッドにシリンジ(注射器)で色水をたらし、どれだけ吸い込むかを記録します。なお、実験は2パターン2回ずつ行います。

実験と実際の違い

ワキ汗がワキ全体からじわりじわりと出てくるのに対し、実験ではシリンジで水滴を落としているので、液体がパッドに触れるときの条件は異なります。あくまでも参考程度にご覧ください。

実験1 水平状態で行った場合

脇汗パッドを水平に置く。パッド中央に色水(青)をたらし、全面が染まりきった時点で限界量として記録する。

実験1 水平状態で行った場合
// 実験1。水平状態で行った場合

実験2 角度をつけて行った場合

脇汗パッドを地面に対して60度の傾斜部分にとりつける。パッド中央に色水をたらし、吸いきれず水が落下した時点で限界量として記録する。

なお、最初の1滴のみこぼれても限界としない。1滴目は吸い込みが悪く、吸わずに滑り落ちてしまうパッドがほとんどだったため。

実験2 角度をつけて行った場合
// 実験2。角度をつけて行った場合

実験する脇汗パッドのリスト

  • あせワキパッド Riff レギュラー モカベージュ
  • MEN’S あせワキパッド Riff 香りつき ホワイト
  • あせワキパッド Riff 小さくて目立たない モカベージュ
  • あせワキパッド Riff ノースリーブ モカベージュ
  • ア・セーヌ わきの汗とりパッド
  • シルコット 肌にやさしい 汗とりパッド AG+ ソフトタイプ 無地

実験結果

実験結果リスト

黄色マーカーは最大値緑マーカーは最小値です。

実験1(水平に置いた場合)1回めの吸水量2回めの吸水量
Riff レギュラー12g13g
MEN’S Riff レギュラー14g15g
Riff 小さくて目立たない10g11g
Riff ノースリーブ用9g9g
ア・セーヌ わきの汗とりパッド4g4g
シルコット AG+12g12g
実験2(角度をつけた場合)1回めの吸水量2回めの吸水量
Riff レギュラー10g10g
MEN’S Riff レギュラー8g5g
Riff 小さくて目立たない5g4g
Riff ノースリーブ用2g1g
ア・セーヌ わきの汗とりパッド2g2g
シルコット AG+0g0g

実験1のパッドを水平に置いた場合と、実験2の角度をつけて置いた場合では、吸水量にかなりの違いがあることがわかります。

服のワキ部分につけて利用するものですから、より参考になるのは実験2のはずです。踏まえて、それぞれ気になる点が出てきます。

ワキ汗パッドごとの考察

個別考察におけるメモ

表における差分は実験1から実験2の吸水量を引いたものです。差が少ないほど優秀とみなします。

また、水分の広がり具合にも違いが出たため、実験2での吸水具合を画像で載せました。

あせワキパッド Riff レギュラー モカベージュ

実験1(水平)実験2(角度あり)差分(実験1-実験2)
1回め12g10g2g
2回め13g10g3g
  • 実験2での吸水量トップ
  • 角度あり・なしの結果差が最も少ない
  • 水を吸うのが早く、広がりやすい

Riff レギュラー モカベージュ
// 実験2の図解

いきなり結論を言ってしまうと、今回の実験で最も優秀だったのはRiff レギュラータイプでした。

数値以上に吸水部の作りが優れています。特筆すべきは吸水効率のよさで、実験2における最初の1滴(滑って吸いにくい)をこぼさずに吸いきったのはこれだけでした。パッドに一定間隔に刻まれた十字部分のデコボコのおかげで吸水効率が高まっているようです(この仕様については販売元もパッケージで明記しています)。他のシリーズも同じ仕様にすればいいのに。

MEN’S あせワキパッド Riff 香りつき ホワイト

実験1(水平)実験2(角度あり)差分(実験1-実験2)
1回め14g8g6g
2回め15g5g10g
  • 実験1での吸水量トップ
  • 角度あり・なしの結果差が大きい
  • 比較的吸い込みの効率は良い

MEN’S あせワキパット Riff 香りつき ホワイト
// 実験2の図解

実験1で最も水分を吸ったのはMEN’S Riffでした。純粋な吸水量は最も優れている、ということでしょう。しかし、パッド面が毛羽立ちしているのが原因なのか、角度をつけてしまうと途端に吸水量が落ちました。広がり自体は悪くなかったのですが・・・

なお、商品パッケージによると、MEN’S Riffの吸水量はRiffレギュラータイプの1.5倍だそうです。私はそうは思わない。

あせワキパッド Riff 小さくて目立たない モカベージュ

実験1(水平)実験2(角度あり)差分(実験1-実験2)
1回め10g5g5g
2回め11g4g6g
  • サイズの割にはよく水を吸う
  • レギュラータイプより重力に弱い
  • 広がるより早く、深く染みこむ印象

あせワキパット Riff 小さくて目立たない モカベージュ
// 実験2の図解

単純にサイズが小さいこともあって、レギュラーサイズとの差は歴然としています。むしろ、ミニサイズでも十分に吸水していると褒めるべきだと感じます。

気になったのは液体の吸い込み方について。画像でも分かる通り、レギュラータイプに比べて広がりが少ないです。その分、深く染み込んでいる印象があります。表面加工の違いが影響しているのでしょうか。

他、感心した工夫が1つ。周囲の縁が液体を誘導し、結果として吸水量が増しています。後述するノースリーブタイプにはこれがありません。

あせワキパッド Riff ノースリーブ モカベージュ

実験1(水平)実験2(角度あり)差分(実験1-実験2)
1回め9g2g7g
2回め9g1g8g
  • 吸水量はほどほどだが角度に弱い
  • あまり広がらず、深く染み込む印象

あせワキパット Riff ノースリーブ モカベージュ
// 実験2の図解

表面加工(パッケージいわく『表面をサラサラに保つメッシュシート』)はRiffミニサイズと同様なので吸い込み方も似ていました。吸水量に違いが出たのは、縦幅の短さが第一の原因でしょう。試していないのでわかりませんが、ノースリーブを着れば横に汗が広がるのかもしれません。なら、この形状には納得です。

先に少し述べましたが、液体が回りこまず、そのまま下に流れてしまっているので、Riffミニのように周囲を縁で囲ってあればもう少しいい結果が出ていた気もします

ア・セーヌ わきの汗とりパッド

実験1(水平)実験2(角度あり)差分(実験1-実験2)
1回め4g2g2g
2回め4g2g2g
  • 吸水量は最も少ない
  • あっという間に限界量に達した
  • 吸水効率はそこそこ良い

ア・セーヌ わきの汗とりパット
// 実験2の図解

大きさの割に、最も吸水量が少なかったパッドです。どうせ対して変わらないだろうと思っていたのですが、結果的にRiffシリーズの優秀さを示す指針になりました。

なんといっても量を吸わない。液体の吸水効率はさほど悪くなく、ちゃんと広がってはくれるのですが、あっという間に耐え切れなくなってしまいます。『汗を出来るだけ吸ってほしい』と思うなら、このパッドは使わないほうが良さそうです。

シルコット 肌にやさしい 汗とりパッド AG+ ソフトタイプ 無地

実験1(水平)実験2(角度あり)差分(実験1-実験2)
1回め14g0g14g
2回め14g0g14g
  • 吸水効率があまりにも悪い
  • 吸水量自体はサイズなり

Riff レギュラー モカベージュ
// 実験2の図解

吸水量は悪くありません。表最大の突っ込みどころは、このシルコットパッドの実験2の結果でしょう。あまりに吸水効率が悪すぎて、色水がパッド上を次々に流れ落ちてしまい、測定することができなかったのです(5滴以上落としても吸い込んでくれなかった)。

実験1において真上から水滴を落としたときも、パッド上で水滴がとどまり、間が空いてからやっと吸い込んだという有り様。

このシリーズにはライン入りのタイプもあるので、そちらならまた結果が変わってくるかもしれません。吸水効率の悪ささえなんとかなっていれば、かなり印象が変わると思います。

各パッド考察後のまとめ

純粋な吸水量が最も多かったのは、MEN’S あせワキパッド Riff 香りつき ホワイト。
総合的な吸水効率が最も優れているのは、あせワキパッド Riff レギュラー モカベージュでした。

どのワキ汗パッドを使うかは、使用者が何を重視しているかによって変わります。『とにかく汗を吸う量を重視する!』なら、全体的に吸水量が優れていたRiffシリーズを使うのが良さそうです。

個人的な雑談

今回はRiffシリーズの優秀さが目立ちました。しかし、先に正直な感想を言ってしまうと、実用ではさほど違いはないのではと思っています。運動時にどれだけ汗ジミを防いだかを別の実験で確かめているのですが、こちらではほとんど差を感じられていないのです。

剥がれやすさ、発汗箇所にちゃんとあたるかどうか、などなど、脇パッドの性能を決める要素は多々あります。最終的には、自分で実際に使ってみるのが一番、そういう結論になっていまいました。本末転倒というやつです。

もっとどうでもいい話

実験道具は家にあるもののみで作りました。

  • ペット用アルミプレート(金属板)
  • ペット用シリンジのあまり
  • タニタのデジタルスケール(測り)
  • お菓子作り用着色料(色水作成)
  • アマゾンダンボール(60°の坂)
  • 色水を受け止めるボロ布

・・・プライスレス。