病院で精神性発汗型多汗を治療する~薬や手術について~
自分でどんなに精神性発汗型多汗と戦っても、どうしようもならないこともあります。どこに頼ればいいのか、どんな治療があるのか。手術しなきゃダメなのか? 気になることをまとめました。
精神性発汗型多汗は何科にかかればいいの?
精神性発汗型多汗を治すために病院に行こう。決心しても何科に行けばいいの? と、いうことはよくあることでしょう。管理人としては以下の順番をお勧めします。
- まずは皮膚科で本当に体質に問題がないかを確かめて、
- 精神面が問題だと確定したら心療内科へ
- 結果、どうしてもだめなら形成外科(できれば専門医)で手術の相談をする
あくまでも参考まで。できればステップ3までは到達してほしくないのですが・・・
まずは皮膚科へ
精神性発汗型多汗だ! と確信している裏で、何らかの病気が隠れていることもあります。
汗かきの裏に潜む病気
原因が見つかれば対処もできますから、無駄かもしれないと思ってもまずは皮膚科に行っておいたほうがいいでしょう。
なお、皮膚科では、塩化アルミニウム液による汗の抑制(オドレミンなどの市販品よりも強力なもの)などの治療を行います。
精神性発汗型多汗が確定したら心療内科・精神科へ
皮膚科に行って何も問題がないとされると、心療内科への通院をすすめられることがあります。そうでなくても、本人が必要だと感じたなら行くべきです。
心療内科では、精神性発汗型多汗の原因となる『不安』を取り除くため、カウンセリングなどの心身療法や、自律神経の働きを整える自律訓練法、不安を取り除くための精神安定剤(抗不安剤)による薬物療法などを行うことが多いようです。
中でも、発汗を抑制する抗コリン剤(プロ・バンサイン)という薬は効果があるとされますが、 喉の渇き、目の渇き、尿の量が減るなどの副作用があるため、担当医との念入りな話し合いが必要になります。
どうしてもだめなら形成外科(できれば専門医)で手術の相談
心療内科でもどうしてもダメだ。とにかく何でもいいから治したい。そう思ったなら、手術という手段もあります。上では形成外科としていますが、できれば多汗専門の病院を探し、念入りな確認とリサーチを重ねてほしいものです。
手術は多汗症で行う方法とほぼ同じで、以下のような方法があります。
- ボトックス注射
- 多汗箇所にボトックス注射をして神経を麻痺させ、汗が出ないようにする。手のひら・足裏・ワキに有効。
- 神経ブロック
- ETS~腔鏡下胸部交感神経遮断術~(手のひら)、腰部交感神経節ブロック(足)など
- 剪除法
- ワキガの手術と同様。そのため効果はワキの下のみ。
多汗症のページになりますが、以下も参考にしてください。
手術で多汗症を治療する~気になる費用・副作用~
上のうち、効果が永続しないのはボトックス注射のみで、他の手術は一度行うと元には戻せません。(これはあくまでも素人の個人的な意見ですが、)精神性発汗型多汗の手術を考えているなら、ボトックス注射をおすすめします。
精神性発汗型多汗の原因が主に不安である、というのは今までに何度も述べたとおりです。ボトックス注射を行うことにより、一時的であれ汗を止めることができれば、その間は安心していられます。
最悪ボトックスがあれば大丈夫、と思えるようになれば、不安も解消されてよい影響が出るかもしれません。
実際に、ボトックス注射の効果が切れても汗が出ない状態が続いた、という例もあるようです。
他の治療法と違い、メスを使うこともありませんので、比較的やりやすい方法といえるのではないでしょうか。
精神性発汗型多汗の治療は長期戦と言われています。慌てずにゆっくり治していくのが結果的には近道になるのでしょう。この記事を読んでくれた方の症状が少しでも軽くなるよう、心から願っています。