世界仰天ニュース多汗症特集『汗に悩んだ女子高生』まとめ

投稿:カテゴリ:多汗症
世界仰天ニュース多汗症特集『汗に悩んだ女子高生』まとめ

2013年5月1日放送のザ!世界仰天ニュースにて、多汗症に関する特集が放送されました。公式サイトに載っていない概要とともに、投稿の一つとしてまとめておきます。

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『汗に悩んだ女子高生』放送内容の要約

2002年、イギリスにリンジー(12歳)と言う名の女の子がいた。ダンスに励む少女には、ある悩みがあった。 それは、汗の量。特に手、足、ワキにたくさんの汗をかいた。大人になれば治るのか…悩みはどんどん膨らんでいった。
月日は流れ、リンジーは高校生になった。汗の量は成長と共に増え、携帯電話やパソコンを普通に使っていても手の汗で壊してしまうほどに。 汗が気になって彼氏と手をつなぐ事もできず、大好きなダンスでも汗で滑り失敗する事も…。 しかし、そんな彼女に転機が訪れる。偶然見ていたテレビ番組で“多汗症”という病気を知った。 すぐに彼女は専門医に相談。そして交感神経を遮断するETSという手術をうけ、彼女の手足の汗の量は著しく減った。 長年多汗症で苦しんできたリンジーは、現在もダンスを続け、彼氏とも堂々と手をつなげるようになった。

”ザ!世界仰天ニュース”特集ページ(現在は削除済)

詳しい放送内容

上記で記した女子高生の体験談のほか、山本クリニックの山本英博先生による多汗症についての説明がありました。

http://www.tenoase.com/のサムネイル

多汗症の治療は山本クリニックへ

多汗症治療のみを扱うクリニック(渋谷)

ここでは山本先生の説明の要点と、サイト内で該当するページへのリンクを補足します。

山本先生による解説

// まとめの都合上、実際の放送と内容が前後している箇所があります

『汗』についての説明

人が汗をかく理由には3つあるとされている。体温調整を理由とする温熱性発汗
辛さに反応する味覚性発汗、緊張や動揺による精神性発汗である。汗は1日に500mlのペットボトル3本分ほどかくとされる(冬場は2本分となる)。

汗は汗腺と呼ばれる箇所から分泌されている。これは毛穴とは異なり、皮下組織にある皮膚腺の一つである。汗腺の数は一般的に、200~500万個とされ、その数は2~3歳までの生活環境で決まる。

日本人の汗腺は約230万個、ロシア人が約180万個、フィリピン人が約280万個とされる。その土地の暑さ・寒さが影響していることがわかる。

顔面の汗を止めるには、ワキの高い位置をヒモなどで縛り圧迫する方法がある。これをすることで、縛った位置から上は汗が止まるが、位置から下はむしろ汗が増える。

『多汗症』についての説明

多汗症の人は交感神経が過敏に反応する事で汗が大量に出る顔面・ワキ・手・足の裏に症状が出やすい。日本だけでも300万人の患者がいるとされる。

多汗症の人が困っていることの一例として以下のようなものがある。

  • 紙が濡れて字がうまくかけない
  • 滑ってヒールがはけない
  • 切符が濡れて自動改札を通れない
  • コンセントで感電
  • パソコン・ゲーム機が壊れる スマホが反応しない。

このように、日常生活にも支障をきたす。また、再現VTRにおいて、好きな人と手をつなげないなどといった悩みも紹介された。

『多汗症』の治療法は?

現在おこなわれている多汗症治療は以下のとおりである。

外用薬(塩化アルミニウム液)/効果:手、ワキ

塩化アルミニウム液を汗の出る部分に塗りつける方法。

通電療法(イオントフォレーシス)/効果:手、足、ワキ

水道水に微弱電流を流し、それに発汗箇所を浸すことで軽い火傷をおこし、汗の出る表面をふさぐ方法

ボトックス注射/効果:ワキ、手、頭部

ボツリヌス菌毒素を注入し汗腺の働きを抑える方法

皮下組織削除法/効果:ワキ

ワキの汗腺を取り除き汗の出る部分を無くす方法

ETS手術(効果:手、顔、ワキ)

胸の交感神経を切除して汗を出す指令を遮断する方法。代償性発汗という副作用が見られるケースがある


1~3までの方法は何度も繰り返す必要がある。再現VTRの女性は5のETS手術をおこなった。女性は、「以前はボタボタと水滴がたれるほどでしたが、今では逆にドライすぎるくらいです」とコメント。幸い副作用もなく充実した生活を行っているとのこと。

個人的な放送への感想

特集時間が短かったこともあり、かなり説明が端おられているなと感じる放送内容でした。

特にETS手術の副作用である代償性発汗について、いちおう触れてはいたものの、さらりと流されてしまったのが気になりました。その上、ほぼ良い面だけが強調されていたように思えます。代償性発汗の問題はそれだけで放送が1本作れるほど重要なものにも関わらずです。ざっくばらんにいえば『なめてるとやばい』です。

また、あくまで個人の意見ですが、スタジオの雰囲気が軽かったのもあり、重要な問題として扱われていないような印象も持ちました。

多汗症の知名度があがり、世間への理解が広がったであろうこと。汗に悩む人に多汗症の可能性を示唆できたこと。この2点においてはプラスだったのではとも思います。事実、以前に放送された魚臭症候群についても、専門医にかなりの問い合わせがあったそうです。
体から腐った魚のニオイ?~魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)~

逆に、多汗症を自覚している人にとっては当たり前の知識ばかりだったので、あくまでも『知らない人むけ』の放送だったといえます。 『見たかったけど見逃した!』という人でも、上のまとめで事足りるのではないでしょうか。