体にいい汗悪い汗~サラサラ汗とベタベタ汗~

「いい汗かいたあー!」
運動した後、なんとなく口にするこの言葉。
でも何がいい汗なの? そもそも悪い汗って? 改めて尋ねられてしまうと「?」です。
今回はこの『いい汗、悪い汗』についての調査してみました。
いい汗と悪い汗の違い
それでは、いい汗と悪い汗の違いを見ていきましょう。
いい汗 | 悪い汗 |
---|---|
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サラサラしている | ベタベタしている |
すぐに体外へ出ていく | なかなか体外へ出ていかない |
すぐに蒸発する | なかなか蒸発しない |
臭いが少ない | 臭いが強い |
体温を上手に下げられる | 体温をうまく下げられない |
含まれている塩分(ミネラル)が少ない | 含まれている塩分が多い |
汗をかくとすっきりする | 汗をかいても不快感が残る |
比較すればするほど対照的になりました。
ここで勘違いしないでほしいのが、大量にかくからといって、いい汗とは限らないということです。
たとえ滝のように汗が流れていても、ベタベタして不快なら悪い汗なのです。
上で書いたのはエクリン腺から出る汗の話です。
ワキガの原因となる汗はアポクリン腺から出るアポクリン汗なので、また違った話になります。
先にワキガについて知りたい場合は以下のページを参考にしてください。
ワキガ(腋臭症)の話
なぜ悪い汗になってしまうのか
悪い汗になってしまう理由を知る前に、汗が流れる過程を再確認してみましょう。
体の温度が上がりすぎると、脳がエクリン汗腺へ汗を出すよう命令します。
汗腺は汗の原料となる塩分を取り込みつつ、熱を含んだ水分を外へと排出します。
その後、水分以外の成分はほとんど体に再吸収されます。
実は、ここで悪い汗になるかならないかが決まります。
悪い汗をかく人は、塩分などの再吸収をスムーズに行うことができないのです。
結果、汗には塩分が多く残り、ベタベタした悪い汗をかいてしまいます。
危険な悪い汗
悪い汗は不快なだけでなく体に悪影響を及ぼします。
汗に塩分がたくさん含まれているということは、汗をかくほど体内から塩分がなくなっていくということです。
実は、血液の水分量は塩分の量で決められています。塩分が薄くなりすぎないよう、体がうまく調整しているからです。
では、塩分量が少ないときに水を飲んだら?
それ以上、塩分濃度が低くならないよう、どんどん尿や汗として外へ排出してしまいます。
結果、脱水症状を起こしても水分が吸収されないという、非常に危険な状態になってしまうのです。
体にいい汗をかくには?
なら、どうすれば体にいい汗をかけるのでしょうか。
答えは一つ。普段から適度に汗をかくように心がけること。
汗腺の機能が低下しているせいで悪い汗をかくなら、その機能を鍛えてやればいいわけです。
そのために半身浴などでたくさん汗をかく・・・のもいいのですが、一番効果があるのはやはり適度な運動です。
1日に30分でもいいので、ウォーキングや自転車こぎなどで体を動かし、日ごろから汗をかくようにすれば、汗腺が鍛えられていい汗がでるようになります。
汗をかくのが嫌だからといって、できるだけ体を動かさないでいたり、冷房をガンガンに効かせたりしていると、汗腺の機能は低下するばかりです。
汗の臭いやベタベタを避けるためにやっているのに、かえってそれを強くしてしまうという悪循環に陥ります。
以前の記事でも書きましたが、汗は決して悪いものではありません。
いい汗をかいてバランスをとり、うまく汗とつきあっていきましょう。