体から腐った魚のニオイ?~魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)~

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体から腐った魚のニオイ?~魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)~

汗臭さともワキガとも違う体臭が存在し、それらの大抵が病気を原因とします。非常に珍しい例ではありますが、魚の腐ったようなニオイもその一つ。名前はトリメチルアミン尿症。別名、魚臭症候群です。

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魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)とは?

2014年10月24日のザ!世界仰天ニュースでも特集され、少しずつ認知されている魚臭症候群。一般的に魚臭症とも呼ばれるこれは、体全体から腐った魚のようなニオイがする病気です。体だけでなく尿や汗からも同じニオイを発します。
// メモ:2017/08/22の世界仰天ニュースにて、再度特集が組まれました。
ニオイで苦しんだ少女|ザ!世界仰天ニュース|日本テレビ

この病気の困ったところは、体臭以外の症状がほとんどないことです。また、自分でニオイに気づくことができないうえ、年齢とともにニオイが強くなっていくのが特徴で、本人がどんなに悩んでいてもたかが体臭と問題視されないことすらあります。

ですが周りに迷惑をかけてしまう上、ニオイを気にしすぎて日常生活すら困難になる恐れがある、れっきとした、恐ろしい病気なのです。

魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)の原因

原因は決して不衛生やニオイケア不足ではありません。ざっくばらんに言ってしまえば、遺伝が原因です。

本当はもっと細かい説明が必要ですが、素人の説明で誤解があったら困るので割愛させてもらいます。ご了承ください。

卵、レバーなどに多く含まれるコリン、サプリメントとしても飲まれるレシチン、シーフード類に多く含まれるトリメチルアミンオキシドという物質があります。これらは腸内細菌の酵素によりトリメチルアミンという物質に分解されます。この物質が腐った魚のニオイの犯人です。

通常、トリメチルアミンは体内で分解されますが、魚臭症候群にかかった人はこの物質をうまく処理することができません。結果、トリメチルアミンは血液に乗って体全体にいきわたり、魚臭い体臭となって排出されてしまいます。

魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)の治療

非常に残念ではありますが、魚臭症候群にはまだ明確な治療法がありません。ですが、ニオイ自体は食事療法により軽減することができます。ニオイの原因がトリメチルアミンなら、トリメチルアミンの発生する食べ物を控えればいいのです。

なら、トリメチルアミンが発生しやすい食べ物は何か? 下に一例をあげます。

トリメチルアミンが発生しやすい食材一覧

卵、レバー、腎臓、エンドウマメ、ソラマメ、ピーナッツ、大豆製品、アブラナ科の野菜(ブロッコリーやカリフラワーなど)、シーフード類、など

上にあげたものはあくまでも一例です。他にも気を付けなればならない食べ物はありますし、逆に『これなら食べられる』という食べ物もあります。ここですべてを羅列するのは難しいため、以降で紹介する、ある研究所のウェブサイトを参考にしていただけたらと思います。

魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)かもしれないと思ったら?

魚臭症候群は、テレビで特集されたとはいえ、まだまだ認知度の低い病気です。一般の病院では診断できないかもしれません。

もし魚臭症候群の可能性があり、確実な診断が受けたいという方は昭和薬科大学の山崎浩史先生が運営されている以下のウェブサイトを参考にしてください。

http://hiroshi-yamazaki.my.coocan.jp/のサムネイル

2nd Homepage of Lab. of Drug Metabolism and Pharmacokinetics, Showa Pharmaceutical University

魚臭症候群,魚臭症,トリメチルアミン尿症,Trimethylaminuriaの日本におけるホームページ

アクセス後、ページ下部にあるメールフォームより、尿検査による診断の問い合わせができます。

山崎先生は魚臭症候群を専門に研究されている方であり、ホームページでは魚臭症候群の詳しい説明や、食べていいもの悪いものなど、 さまざまな情報がまとめられています。魚臭症候群の最新情報が知りたいなら、ぜひアクセスしてみることをおすすめします。


世間的に認知度が低く、理解もされなかった魚臭症候群(トリメチルアミン尿症)。今回テレビで特集されたことで理解が広がり、悩んでいる方が少しでも救われるよう心から祈るばかりです。