塩化アルミニウム液での多汗対策~オドレミンなど~
病気としての多汗症、精神性発汗型多汗、そしてごく単純な汗っかき。これらに有効な汗対策グッズの一つが、オドレミンなどの塩化アルミニウム液です。
塩化アルミニウム液(塩化アルミニウム水溶液)とは
塩化アルミニウム液とはその名の通り、塩化アルミニウムを溶かした水溶液のことです。多汗症の治療薬として皮膚科で処方されるほか、後述する市販品にも含まれているので、比較的簡単に入手することができます。
処方箋と市販品の違い
同じ『塩化アルミニウム液』でも処方箋と市販品ではその濃度が異なります。濃度が高いほど効果も高いですが、副作用が起こる可能性も高くなります。
(塩化アルミニウム液の濃度例)
一般的な処方箋(20%)>オドレミン(13%)
テノール液の塩化アルミニウム液の濃度について
当サイトにて、テノール液の塩化アルミニウム液の濃度を3.9%と記載していましたが、これは間違いでした。
発売元である佐藤製薬様に問い合わせたところ、アルミニウム濃度については明確に回答をいただくことはできませんでしたが、有効成分であるアルミニウムヒドロキシクロライドが4.5g、アルミニウムヒドロキシアラントイネートが0.15g含まれているとのことです。
誤った情報を載せてしまったことにより、皆様にご迷惑をおかけしたことを心より謝罪いたします。
塩化アルミニウム液の効果
塩化アルミニウム液には汗腺(汗の出口)を塞いで汗を抑える効果があります(これを収れん作用といいます)。特に脇の多汗に効果が高いとされますが、手汗の治療などにも利用されています。
また、ニオイのもととなる汗を止めることにより、結果的にワキガを防ぐこともできます。
なぜ塩化アルミニウム液が効くのか
では、具体的にはどのように汗腺を塞いでいるのか・・・なのですが、実は参考元によって解釈がまちまちでした。今回はそのうちの2つを書いておきます。
解釈1:汗腺を炎症させて汗腺を塞いでいる
まず第一の解釈として、汗腺の周辺にわざと炎症を起こさせることで、汗の出口を物理的に塞ぐというものがありました。この説は、ワキガ治療の権威である五味常明先生が、運営サイト内のQ&Aコーナーにて発言されていました。
解釈2:汗を結晶化させて物理的に汗を塞いでいる
第二の解釈は、塩化アルミニウムは塩分と反応すると結晶化する。これを利用し、汗腺から出される汗を結晶化させることで、物理的に蓋をして汗を止めることができる。というものでした。この説で説明しているサイトはいくつかあるのですが、医師や専門家による説明は見つけられませんでした(見つけた方はぜひご一報ください)。
どちらにせよ、物理的に汗腺を塞ぐという点に変わりはないようです。あくまでも『塞ぐ』だけであり、一時的にしか制汗効果はありません。そのくせ使い続けると効果が落ちるので、1度使ったら何日か間をあける必要があります。
塩化アルミニウム液の副作用
塩化アルミニウム液は刺激が強いため、人によってはかゆみ・かぶれ・湿疹などが起こります。肌が弱い方は濃度の低いものを使うことをおすすめします。
また、原材料であるアルミニウムが体内に蓄積することで、アルツハイマーになる可能性が高まるという説もあります。ただしアルツハイマーとアルミニウムの因果関係はわかっておらず、現代においてはほぼ否定されているようです。
市販品として買える塩化アルミニウム液
塩化アルミニウム液を有効成分とする市販品はいくつかありますが、中でもオドレミンとテノール液が有名です。
インターネットでも購入することができますが、割引されていることはほぼないため、恥ずかしいなどの理由がなければ近所の薬局で探してみることをおすすめします。オドレミンは販売元の日法薬品工業株式会社の公式ホームページにて販売店を検索できます。
刺激が強いなどの副作用はあるものの、その効果の高さは折り紙つき。値段はオドレミンで1080円、テノール液は600円程度なので、いきなり手術を考えるなどせず、一度でいいから塩化アルミニウム液を試してみることをお勧めします。