まずはワキガを定義する~ワキガとは何なのか?~

汗かきさんについて語るとき同時に浮かびがちな『ワキガ』というキーワード。
気にしすぎか、それとも・・・その定義が何か、はっきりさせておきましょう。
ワキガの定義
ワキガは正式名称を腋臭症といい、ワキの下から独特の臭いが出る症状のことを言います。
あいまいなので、このサイトにおいては私がもっともわかりやすいと感じた以下の定義を利用します。
ワキガとは、ワキの下に存在するアポクリン腺が発する臭いを、本人がはっきり自覚して悩んでいる状態のことである。
定義の解説
人はエクリン腺とアポクリン腺という2つの汗腺を持っています。
汗の出口は2つある~エクリン腺とアポクリン腺~
あの独特なワキガの臭いは、アポクリン腺から出る汗が原因とされています。アポクリン腺が活発であればあるほど臭いも強くなるのです。
アポクリン腺が発達していて臭いが強くても、本人が気にしていなければ病気とは呼べません。理由は簡単で、治療する必要がないからです。
そんなことありえるのか・・・と思うかもしれませんが、海外ではワキガで当たり前の国もありますし、むしろ臭いがセクシーだと歓迎されることもあります。
ワキガである確率は人種や民族ごとに異なる
ワキガである確率は人種や民族ごとに異なるとされています。以下がその一例です。
黒人:100%
欧米人:70~90%
日本人:10~15%
中国人:3~5%
日本人が中国人よりも比率が高いのは、食生活の欧米化(肉中心の食事など)により皮脂の分泌量が増加し、アポクリン腺が成長したのが原因と言われています。
また、本人がワキの臭いを気にしていても、それがアポクリン腺から発するものでなければワキガとは言えません。
臭くないのに臭いと思い込む自臭症はもちろん、エクリン腺由来の臭いに悩んでいても、厳密にはワキガとは呼べないのです。
自臭症(自己臭症・自己臭恐怖症)~自分が臭い気がする病気~
『ワキガ=多汗症』も『ワキガ=汗かき』も間違っている
定義について解説したついでに、もっとも多い誤解の一つを否定しておきます。
ワキガの人は同時に汗かきだと思っている人がとても多いですが、それは全くの間違いです。
なぜなら、原因となる汗腺が異なるから。ワキガの原因となるのはアポクリン腺であるのに対し、汗かきや多汗症の原因となるのはエクリン腺とされています。
ワキの下のアポクリン腺が発達していても、全身に広がるエクリン腺がそれほどでもなければ、汗っかきにはなりません。
逆に、汗っかきでもアポクリン腺が発達していなければ、ワキガになることはありません。
結果、『ワキガ=汗かき』は間違っていると断言できるわけです。
汗かき=ワキガでないなら、どうやってワキガを自己診断すればいいのでしょうか。
次回の記事では簡単にできるワキガチェックについて報告します。