ワキガ手術あれこれ~費用に保険に方法に~
どれだけ生活習慣を正しても、どんなワキガ対策グッズを使っても、どうにもならないときはあります。
あなたが手術を考えたなら、このページも参考にしてください。
ボトックス注射
ボトックス注射による治療は、汗腺を衰えさせるボツリヌストキシンをワキの数か所に直接注射することで行います。
おもに多汗症の治療に用いられる方法ですが、患部の汗を抑えるという効果ゆえに、ワキガにも高い効果を発揮します。
メスを使わずに処置できる数少ない方法です。
メリット
- メスを使わないので傷跡が残らない
- 短時間(数十分程度)で処置が完了する
- 術後すぐ日常生活へ戻ることができる
- 副作用の心配がほぼない
デメリット
- 効果は短くて3か月、長くても1年ほど
- ワキガの原因となるアポクリン腺がそのまま残るので、完全に臭いを消しきれない可能性がある
- 保険適用外であり費用が高い ※ただし多汗症治療の場合は保険適用可
保険適用、費用
保険適応外、5万~10万程度
※多汗症治療が主な場合は3割負担で3万円程度
剪除法(せんじょほう)
剪除法(せんじょほう)は、ニオイの原因となるアポクリン腺を物理的に除去する手術法です。
ワキの下を3~4センチ切開して皮ふを剥離・反転させたのち、目に見えるアポクリン腺を徹底的に取り除きます。
剪除法は現在もっともメジャーなワキガ手術法であり、唯一保険に対応しています。
メリット
- アポクリン腺自体を取り除くため、高い効果が期待できる
- 再発の可能性が低い
- 汗腺を直視しながら切除するので、より確実な処置が可能である
- 保険が適応される
デメリット
- 傷跡が目立ってしまうことがある
- 色素沈着など見た目が汚くなる可能性がある
- 術後の制限が大きい(最短でも2週間は安静にする必要あり)
- 術後臭が発生する可能性がある
- ワキ毛の量が減る(一般的に70%程度ダウン)
保険適用、費用
保険適用で5万円以下、保険適応外で30万程度です。
美容外科などで保険を取り扱っていない場合や、特殊な器具を使う場合は保険適応外の料金になります。
吸引法
吸引法(きゅういんほう)は、アポクリン線を吸引して取り除く、脂肪吸引の技術を応用した手術法です。
ワキの下を1センチほど切開してから、脂肪吸引でも使われるカニューレという器具を挿入します。その先端に装着された刃で、アポクリン腺をかきとながら吸引します。
メリット
- 剪除法よりは傷口が目立たない
- 手術時間が比較的短い
- 術後の回復が比較的短い
デメリット
- アポクリン腺を直接見られないため、取り残しが発生しやすい
- 再発する可能性がある
- 保険適用外であり費用が高い
保険適用、費用
保険適用外、20万程度
超音波法
超音波法は、超音波メスでアポクリン腺を破壊して吸引する手術法です。吸引法での取り残しを踏まえて開発された方法ですが、傷が残りやすくなったという報告もあります。
ワキの下を1センチほど切開し、皮ふの裏側に挿入した超音波メスでアポクリン腺を破壊しながら、粉砕された組織を吸引して除去します。
メリット
- 術後の回復が比較的早い
デメリット
- アポクリン腺を直接見られないため、取り残しが発生しやすい
- 保険適用外であり費用が高い
- 傷が残る可能性がある
保険適用、費用
保険適用外、30万程度
吸引法・超音波法については以下のサイトも参考にしてください。
ワキガ手術における吸引法(超音波法)の限界と可能性について(五味クリニック)
その他の手術
上にあげたもののほかに、病院固有の手術法も数多く存在します。その多くは保険適応外であり、吸引法をベースにした方法がほとんどです。
手術法にはいくつかの選択肢があります。もちろん、手術しないという選択もです。
もし確固たる意志で手術にのぞむなら、病院の謳い文句や甘い言葉に踊らされず、リスクや費用など様々な点を調べて、納得してからにしてください。